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ACT.1 Endless Pain
五年後。水瀬ほたるは高校に入学した。彼は一見変わっていた。常時サングラスをかけているのだ。それは外でも室内でも変わらない。入学式時、そんな彼が新入生挨拶をしたものだから、ひときわ目立っていた。 色んな噂を立てられたが、ほたるは特に弁解する事もなかった。 「ほたる」 昼休みの時間、幼馴染の冴木真奈美に声をかけられる。弁当を食べ終わったほたるは窓の外に向けていた視線を真奈美に移した。 「また変な噂立てられてるわよ」 「何だ、そんな事」 素っ気無く言うほたるに真奈美は溜息をついた。 「いいの?また有りもしない因縁付けられるよ?」 「ほっとけば、そのうち治まるよ。どうせすぐ飽きるんだから。それより・・・」 ほたるは真奈美の顔を見た。 「俺の近くに居たら、お前も変な噂立てられるぞ」 「いいわよ。別に。慣れてる」 「真奈美ぃ!」 突然クラスメートの宮崎芽衣が割り込んでくる。彼女も同じ中学で、真奈美の友達と言うか妹みたいなヤツだ。 「何で水瀬ばっか構うのー?」 芽衣はぷぅっと頬を膨らませた。 「そんなことないでしょ」 「そんなことあるもん!真奈美は芽衣の傍にいなきゃダメなの!」 またワガママ発揮だ。真奈美もよくこれに付き合えるなとほたるは思った。とても同い年だとは思えない。 「いつも一緒にいるでしょ。ワガママばっかり言ってたらもう相手しないわよ」 「うっ」 真奈美の脅しにひるむ。何だかんだで扱い方をよく知ってる。 「ほたる、今日もおかず持っていくね」 「おう。いつも悪いな」 「気にしないで。母さんが好きでやってるんだから」 真奈美はそう言うと芽衣を連れてほたるから離れた。 冴木真奈美は優等生だ。ほたるといつも首位を争っている。それに人望も厚い。学級委員を務め、クラスをよくまとめている。そして世話好き。それは彼女の性格なのかもしれないが、きっとほとんどの人が関わりたくないと思っているほたるによく話しかけてくれる。幼馴染だからとかじゃなく、ただ彼女が気になるのだろう。そういう性格だ。 ほたるにとって彼女の存在は大きかった。恋心などとはまったく違う。彼女は家族のようだった。家族以外で、唯一ほたるを理解してくれる。彼女がいなければこうして学校生活を送る事もなかっただろう。感謝してもしきれないくらいだ。 ざわつく。周囲がうるさい。自分のせいだってことは重々承知だ。だけどサングラスを外すことは出来ない。ただでさえ発作があるのに、更に酷くなる可能性大だ。厄介な体だ。 それも仕方のないことだとは分かっている。これから先、まともな生活が出来るとは思わない。そうなる覚悟はできている。五年前のあの日から。 「水瀬くん!」 出た。このクラスで一番厄介な人物。鈴枷天音。入学式の日からこんな調子で何かと近づいてくる。 「ねーねー、水瀬くんって冴木さんとどういう関係?」 こういうハイテンションには苦手だ。 「ただの幼馴染だよ」 「ふーん。でも実は好きだったりして?」 ほたるは呆れて物が言えなかった。何でそんな思考回路なんだろうか?ある意味幸せなのかもしれないが、はっきり言って迷惑だ。 「そんな関係じゃない」 「ホントにぃ?」 まだ疑っている。疑っているのなら、それでも構わない。 相手にするのが面倒くさくなったほたるは溜息を吐きながら席を立ち上がった。 「どこ行くの?」 「トイレ」 こう言っておけば付いてはこない。 昼休みなんてとっとと終わればいいのに。 ほたるは屋上に上った。ペントハウスの平屋根の上に寝転がる。 空に雲が流れていく。サングラス越しのモノクロの世界。穏やかな時間が流れる。 −−ドクン 胸の奥が疼く。消えない映像。赤い記憶。 (ヤバイ・・・・・・) 鼓動が速くなる。 「くっ・・・・・・」 いつもの発作だ。 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」 呼吸が荒くなってきた。 ドクン、ドクン。鼓動は段々速くなっている。ほたるは胸を押さえて丸まった。 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」 息が苦しくなる。過呼吸だ。右手で胸を押さえ、左手でポケットを探る。掴んだ紙袋を口に当てる。 「ハァ・・・・・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・・・・・」 しばらく袋の中の息を吸っていると、落ち着いてきた。鼓動もゆっくりになってくる。 呼吸を落ち着けていると予鈴が鳴った。ほたるは起き上がり、教室へ戻った。 「水瀬くん、さっきどこ行ってたの?」 五時限目が終わると突然目の前に天音が現れた。 「どこだっていいだろ」 「お話しようと思ってたのにぃ」 「俺は一人が好きなんだ」 「う〜〜〜〜」 ハイテンションな天音にほたるは飽くまで冷静に言った。 「いい加減、ほっといてくれないか」 冷たく突き放すと天音は怯んだ。 「あたしは・・・・・・水瀬くんと友達になりたいの」 「どうせ興味本位なんだろ。俺に関わるな」 「何で・・・・・・」 「授業始まるぞ」 そう言った瞬間、タイミングよくチャイムが鳴る。天音が何かを言いたそうだったが、ほたるは顔を逸らした。天音は諦めて自分の席についた。 (何で俺に関わろうとするんだ?) どうせロクなことにならない。一人にしといてくれ。 学校が終わると、ほたるはバイト先へ向かった。この厄介な体を唯一理解してくれる配送会社。会社自体はそんなに大きくないが、親身になって助けてくれる人たちがたくさんいる。 ほたるの仕事は荷物の仕分け。倉庫内に入ると外用のサングラスから室内用の薄めのサングラスに変える。初めはもちろん怪訝がる社員が多数いたが、事情を説明すると納得してくれた。もちろん全員が納得してくれたわけではないが、皆それなりに大人なので何も言ってこない。それはとてもありがたいことだった。 ほたるは割り当てられた仕事を淡々とこなした。体力は多少の自信はあるが、いつ発作が襲ってくるか分からないという爆弾を抱えている。厄介なものだ。発作さえ起きなければ、まだ普通に生活できたのに・・・。そんな事を言っても仕方がない事は分かっている。今はただ与えられた仕事をこなすだけ。 家に着くと九時を余裕で過ぎていた。 「ただいま」 「おかえりー。仕事、お疲れ様」 「おう」 家に入ると二歳下の妹のあげはが出迎えてくれた。 「今日は発作なかった?」 「ああ。大丈夫だったよ」 本当のことを言うと心配するのは目に見えてる。 「そう。よかった」 あげははホッと胸を撫で下ろした。毎日こうして心配してくれる。何だか申し訳ない気がしてくる。 「ごめんな。いつも心配ばっかかけて」 「何言ってるのよ。家族でしょ」 あげははいつもこう言ってくれる。あげはが妹でよかった。 「兄ちゃんおかえりー。今日は姉ちゃん特製のオムライスだよ!」 風呂上りらしい五歳下の弟のたてはが嬉しそうに飛んでくる。彼はほたるの事情をまだよく理解していない。もう少し大きくなってから話すつもりだ。 「それは美味そうだな。たてはは明日の学校の準備はしたのか?」 「もちろん。あと寝るだけだよ。兄ちゃんが帰ってくるのを待ってたんだ」 「そうか。いつもありがとな」 ほたるはたてはの頭を撫でた。たてははとても嬉しそうに笑った。 着替えを済ませ、食卓に着く。仕事がある日はいつもあげはとたてはは先に食べるようにしている。それはたてはをきちんと寝かせるためだった。一人で食べるのだが、その間は必ずあげはとたてはが今日一日あったことを話してくれる。その話を聞くのがほたるは好きだった。 「これ、真奈美ちゃんが持ってきてくれたおかず」 あげはが出したのは、大きめの深皿に盛られたポテトサラダだった。 「これまた大量にくれたな」 「また作り過ぎたんだって」 あげはが笑う。二人が食べてもあまり減っていない気がする。いつもこうしてくれるのはありがたいことなので、早速頂くことにする。 「相変わらずおいしいな」 「明日のお弁当にも入れておくね」 「うん」 どうせこの量なら明日の晩まで残りそうだ。ちなみにいつもあげはがお弁当を作ってくれるのだ。 「たては、九時半になったからもう寝なさい」 あげはが時計を見て、注意する。 「はーい」 たてはは言われた通り、食卓から立ち上がった。 「兄ちゃん、姉ちゃん、おやすみー」 「「おやすみー」」 そう言うと自分の部屋へと戻って行った。それを確認してからあげはが口を開く。 「ねぇ、お兄ちゃん」 「ん?」 「たてはにはそろそろちゃんと言った方がいいんじゃない?」 「そう・・・・・・だな」 たてはももう十歳。あの事件があった日のほたるの年齢と同じだ。 「でも、もう少し大人になってからでもいい気もする」 ほたるの言葉にあげはは納得した。 「そうだね・・・・・・。でも、たてはも家族だよ?知る権利はあるよ」 あげはの言うことは分かる。 「あぁ・・・・・・。だけど、怖いんだ」 「怖い?」 ほたるの言葉をあげはが繰り返す。 「まだ俺が話せるような状況じゃない。いや、もしかしたら一生そんな日は来ないかもしれない」 「お兄ちゃん・・・・・・」 ほたるの気持ちも分かる。 「うん。分かった。無理しなくていいよ。たてはに聞かれたら、あたしが少しずつ説明するよ。また発作とか起こしたら大変だし・・・・・・」 「・・・・・・ありがとう。ごめんな、あげは」 「ううん。お兄ちゃんが謝ることないよ。お兄ちゃんが悪いわけじゃないもん」 あげはの優しい声がぽっかり空いた心に暖かく響く。あげはが妹でよかったと心から思う。 たった三人の家族。ずっとこうして暮らしてきた。それはきっとこれからも変わらない。いや、本当にそうだろうか?あげはだってたてはだっていつかは自立するだろう。二人がいなくなったら? ほたるは横に頭を振った。 そんなこと、まだ考えられない。でも五年、十年と時が経てば、そういうこともありうる。わがままだとは分かっているが、嫌だ。ずっとこのままでいたい・・・・・・。もう一人にはなりたくない。 ほたるは布団の中にうずくまった。 赤い赤い残像。振り払っても振り払ってもついてくる。目の前が赤く染まる。赤い悪魔。 「やめろ・・・・・・」 迫ってくる悪魔。どこにも逃げ場なんてない。 「嫌だ・・・・・・。やめろぉぉおおお!」 「・・・・・・ちゃん!お兄ちゃん!!」 あげはの声がして、目を開けるとそこにはほたるの部屋の天井が広がっていた。 「大丈夫?お兄ちゃん」 声のした方に顔を向けると、あげはが心配そうに覗きこんでいた。 「あ・・・・・・あぁ」 「また悪い夢でも見てた?」 「うん」 ほたるは起き上がった。全身にべったりと汗をかいている。 「はい、お水」 「ありがとう」 あげはに水の入ったコップを渡され、ほたるは一気に飲み干した。 「いつもごめんな」 いつも悪夢から醒ましてくれるのはあげはだ。 「たまたまだよ。トイレに起きてお兄ちゃんの様子見たら苦しそうだったから」 「そう・・・・・・。でも助かった。ありがとう」 そう言うと、あげはは首を横に振った。 「ううん。はい。着替え。汗かいてるみたいだから、ちゃんと拭いて着替えてね」 いつの間にか用意されたタオルと着替えを渡される。何てできた妹だろう。 「ありがとう」 「じゃあおやすみ」 「おやすみ」 あげはは自分の部屋へ戻って行った。ほたるはベッドから下り、着ていたパジャマを脱ぎ、タオルで汗を拭った。 実は毎晩のようにうなされている。五年前のあの日から。悪夢を見なくなる日なんて来るのだろうか。・・・・・・期待なんてしないほうがいい。どうせ叶わないんだから。 翌日も天音はしつこくまとわりついてきた。 「ねーねー、水瀬くんってどの辺に住んでるの?」 「教える義務ない」 冷たく突き放しても天音はめげない。 「水瀬くんの好きな食べ物は?」 「お前に関係ない」 「じゃあ・・・・・・」 「あのさ」 めげない天音にほたるはキレそうになる寸前だった。 「ん?」 「俺、一人になりたいんだけど」 ほたるの言葉に天音はきょとんとした。 「何で?」 「何でって、俺は一人が好きだからだよ」 「あたしは嫌い」 間髪入れずに天音がそう言った。一瞬の間が空く。 「じゃあ水瀬くんの趣味はー?」 「お前人の話を聞いてたか?」 ほたるは思わず冷静にツッコんだ。 「水瀬くんこそあたしの話聞いてくれてる?」 逆に質問され、返答に困る。 「聞いてるよ。だけど答える義務はない」 冷たくそう言い放つと、ほたるは立ち上がって教室を後にした。 「チェッ。全然隙ないんだから」 天音はほたるの背中を見送りながら舌打ちをした。 その日はバイトがなく、ほたるは学校から真っ直ぐ家に戻った。バイトがない日はほたるが夕食当番だ。昨日のポテトサラダもあるので、今日はたてはの好きなハンバーグにしようと思う。 「ただいまー。兄ちゃん、今日何ー?」 帰ってきたたてはが早速台所に顔を出す。 「ハンバーグ」 「マジでっ!?やったー!」 たてははランドセルを背負ったまま飛び跳ねて喜んだ。 「その前に宿題やってきな」 「はーい」 たてはは元気よく返事すると、自分の部屋へ駆け上がって行った。 ハンバーグを焼いていると、真奈美がやった来た。 「今日はハンバーグか」 焼いているのを盗み見た真奈美が呟いた。 「昨日のポテサラが残ってるからな」 「そっか。まぁこれも食べれないこともないでしょ。今日はお漬物」 真奈美はタッパーに入れたお漬物を差し出した。 「ありがとう。いつも悪いな」 「母さんが好きでやってるだけよ」 ほたるは受け取るとタッパーを移し変え、持って来てくれたタッパーを洗って真奈美に返した。 「洗わなくていいのに」 「そういう訳にもいかんだろ」 「ねぇ、ほたる」 「ん?」 ほたるはハンバーグの火加減を調節しながら答えた。 「鈴枷さんとはどうなの?」 天音のことだ。学校では無視しといてここで聞くのか。 「どうって何もないよ」 「友達じゃないの?」 「まさか」 ほたるは苦笑した。 「ねぇ、ほたる。いい加減、意地張るのやめたら?」 「意地なんて張ってねぇよ」 「意地張ってないんだったら、何で人と壁を作るの?」 真奈美の言葉が胸に刺さる。 「ずっとこのままでいいなんて思ってないよね?いつかはこの生活だって終わるんだよ?」 分かってる。そんなこと。ほたるはフライパンをぎゅっと握り締めていた。 「分かってるよ」 「分かってない!」 間髪入れずに返される。 「ずっと三人で暮らしていけるわけじゃないんだよ?あげはもたてはもいつかはココを出て自立するんだよ?ほたるがそんなんじゃ、二人とも自立できないよ」 「分かってるよ!」 真奈美に言われ、思わず声を荒げた。 「分かってるなら、ほたるが変わらなきゃ。・・・・・・これはあたしの勘だけど、鈴枷さんとほたるは似てるのかもしれない」 「似てる?」 ほたるは不可解な言葉に思わず真奈美を見た。 「鈴枷さんも時々遠い目をしてるの。普段とのギャップがありすぎて、すごく印象的な目だった」 ほたるは真奈美の言っていることが理解できなかった。 「何だよ、それ。だから鈴枷と仲良くなれって?馬鹿げてる」 「馬鹿げてるかどうかはほたる次第だよ」 真奈美はそう言うと帰って行った。 「何だよ、それ・・・・・・」 こびりついた赤い記憶。あの日の凄惨な光景。 「うわぁっぁあ!」 飛び起きたほたるはいつもの部屋にいることに安心する。 ほたるはベッドから降りると、台所へと向かった。コップいっぱいに入れた水を飲み干す。 いつになったらあの夢を見ないようになるんだろう? ふと目線を変えると、そこに赤いパプリカがあった。 (げ。ヤバッ) サングラスをかけていない。一瞬にしてあの日の記憶がフラッシュバックする。 「うわっぁああああ!」 ほたるは目を覆うが、頭の中に浮かぶのは赤い赤い記憶。眩暈、吐き気、過呼吸がいっぺんに襲い掛かる。目の前がクラクラする。 「おぇぇ・・・・・・」 シンクによりかかり、必死に吐き気と戦う。 (だ、誰か・・・・・・) 「お兄ちゃん?」 天使が舞い降りたかのように現れたのはあげはだった。 「お兄ちゃん、大丈夫?」 一瞬にして状況を把握したあげはは、ほたるの背中をさすった。赤いパプリカが出しっぱなしになっていることに気づき、あげははすぐにそれを野菜入れに隠した。 「お兄ちゃん、もうパプリカしまったから。大丈夫だよ」 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」 過呼吸になっていることに気づき、すぐに紙袋を手渡す。ほたるはそれを口にあて、呼吸を落ち着ける。 二人はダイニングの椅子に座った。あげははほたるの背中をずっとさすってくれた。 「ご、ごめん。起こして」 「ううん。今日も悪い夢、見たんでしょ?」 あげはの問いにほたるは頷いた。 「最初の声で部屋見に行ったらもういなくて。次の声で台所だって気づいて・・・・・・」 「ごめんな。・・・・・・たてはは?」 「ぐっすり寝てる。あの子は何が起こっても起きないもん」 「そっか」 少しホッとする。あげはに迷惑かけてる上に、たてはにまで迷惑かけられない。 「ごめんな。迷惑かけて」 そう言うと、あげはは苦笑した。 「前にも言ったでしょ?迷惑なんかじゃないって。もしあたしとお兄ちゃんが逆の立場なら、迷惑だって思う?」 それはありえない。ほたるは首を横に振った。 「でしょ。迷惑なんかじゃないよ。あたしはお兄ちゃんがよくなることを願ってる」 「ありがと・・・・・・」 あげはの言葉に泣きそうになる。胸が熱くなる。 「お兄ちゃん、落ち着いた?」 ほたるはコクンと頷いた。 「朝まで時間あるから、もう一眠りしよ?今度は悪い夢見ないといいね」 「そうだな」 部屋に戻り、ほたるはベッドに寝転がった。天井を見つめる。 『ずっと三人で暮らしていけるわけじゃないんだよ?あげはもたてはもいつかはココを出て自立するんだよ?ほたるがそんなんじゃ、二人とも自立できないよ。・・・・・・ほたるが変わらなきゃ』 真奈美の言葉が 「分かってるよ、そんなこと」 ほたるは小さく呟いた。 |