font-size       
プロローグ
外はいつの間にかどしゃ降りになっていた。
武士はスタジオの休憩室から見える窓から切れそうにない雨の糸をずっと見ていた。
「アキ・・・」
今は居ない親友の名を思わず呟く。少ししてこんな自分が何だか可笑しくて思わず口の端を緩めた。
「・・・あかんな。俺」

窓の外をもう一度見やる。こんな雨の日は嫌いだ。あの日のことを鮮明に思い出してしまう。