font-size       
プロローグ
「芹華ぁー。そっちの荷造り終わったんか?」
下の階から兄・祐貴ゆうきが叫ぶ。
「終わったよぉー。」
萩原芹華は負けじと大声で返事した。
「よし。これで終わり。ごくろうさん。」
詰め終わったダンボール箱を弟・紘樹こうきが取りにきた。紘樹こうきがダンボール箱を持ち上げると、紙切れが一枚落ちた。芹華が拾い上げるとそれは、懐かしい高校時代の写真だった。